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「けど…僕には、桑原さんを見守るような雰囲気を文面から感じたんですが…」
「なるほど、柴田はそう推理するか」
その為、相良の推理とは多少、違う見方をしている。
柴田の考えに相良は、感心するような笑みを助手に向けた。
「それと、手紙にあった〝ナイチンゲール〟の意味だが……過去にナイチンゲールと呼ばれ人物がいたそうだ。看護婦の事じゃないぞ?美しい声で歌う歌姫がな」
「ナイチンゲールって、看護婦の事なんじゃなかったんですか?あと、ウグイスとか」
「まあ、同名の名をした人間なんて山ほどいるからな」
柴田が首を傾げながら言うと、相良が続けて話をした。
「彼女の大学に行って、調べたんだが……彼女は、合唱部に所属しているらしい。彼女の歌唱力は大学や部でも評判が高い……その歌姫と重ねられたんだろう」
確かに、彼女の容姿はパッとしないが、声は、とても美しかったのを柴田は思い出す。
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