196人が本棚に入れています
本棚に追加
街外れにある古いビルの中にある〝相良探偵事務所〟所長兼探偵の相良綾女と助手兼秘書の柴田圭吾は、今日も依頼を待っている。
広めのワンルームに明るく清潔感がある室内は、外観とは雲泥の差だ。
窓際にあるテーブルに座る女性の前には、中年女性が佇んでいた。
「探偵さん、有難う!貴女のおかげでうちのベルちゃんが無事に見つかったわ!」
小太りの化粧が濃い中年女性が一匹のブルドッグを抱き抱えながらにこやかに礼を述べる。
派手な柄の服に両手の指にはダイヤの指輪やら金の指輪……パールのネックレスなどで着飾ったご婦人だ。
「いえいえ、お役に立てて光栄ですよ!ご婦人」
テーブルに座りながら、始終、微笑みを浮かべる女性が言った……栗色のロングヘアーに薄いブルーのカッターシャツに白のスーツを纏う美しい女性だ。
相良綾女……探偵であり所長である。
最初のコメントを投稿しよう!