第一話 「ストーカー」

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「先生……小夜さんのストーカーは、どんな奴なんですかね。全く正体が見えないじゃないですよ」 マンションに向かう途中、柴田が疑問を口にした。実在しないのではないかと思うぐらい、小夜の周囲には怪しげな男はいないのだ。 小夜の自作自演に思えたが、小夜の恐怖に嘘は見えない。 「……」 相良は、答えず、ずっと黙ったままだ。 考察の邪魔をしてはいけないと判断した柴田は、車のスピードを上げた。 (ストーカー、手紙……彼女の周囲のには手紙以外の変化は無い……にも関わらず、彼女の常に傍にいるかの様な内容を綴っていたな) ゆっくりと考えを巡らせる。
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