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(彼女の友人は、女性ばかり、合唱部も顧問以外は女性だけだ。一体、何処にストーカー男の…)
思考を巡らせる最中にふと、脳裏にある人物がいった台詞が蘇った。
『センパイー、行き詰まった時は、違う方向からも考えてみたらどうっすか?俺は、いつもそうしてますよ』
人をからかう様な口調をした低い声が、直接、耳元で囁かれた様に感じ、相良は、切れ長の目を目一杯に見開いた。
「……柴田、私は、偏った推理をしていた様だ!」
「「はい?」
「ストーカー=男とは、限らないって事だ!同性に愛情を抱く人もいるんだ。くそ、何で、気がつかなかった!」
未だに分からないといった表情のままの柴田と、バラバラになったピースが全て当てはまった相良は、唇を噛んだ。
そうこうしている間に、小夜のマンションに着いた二人は、急いで彼女の部屋に向かった。
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