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「頼む……間に合ってくれ!」
相良は、祈る気持ちで階段を駆け上がる。背後からは、柴田とマンションの管理人がついてくる。
彼女の部屋につくと、管理人から鍵を借り、ドアを開けた。
リビングに向かう廊下にある扉が半開きで、相良たちを招く様に揺らいでいた。
「……」
相良と柴田は、息を飲み、ゆっくりと進む。 管理人に警察を呼ぶように言い、柴田は彼女を守る様に前に出て、半分だけ、開けられた扉を勢いよく開いた。
「相良さん!」
突如、小夜が相良に飛び付いてきた。
「桑原さん!どうしました?」
「血がっ…!」
抱きついてきた小夜の片腕には切傷があり、白いブラウスには血が滲んでいたのだ。
相良と柴田が、驚いた表情で小夜を見た。
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