第一話 「ストーカー」

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「頼む……間に合ってくれ!」 相良は、祈る気持ちで階段を駆け上がる。背後からは、柴田とマンションの管理人がついてくる。 彼女の部屋につくと、管理人から鍵を借り、ドアを開けた。 リビングに向かう廊下にある扉が半開きで、相良たちを招く様に揺らいでいた。 「……」 相良と柴田は、息を飲み、ゆっくりと進む。 管理人に警察を呼ぶように言い、柴田は彼女を守る様に前に出て、半分だけ、開けられた扉を勢いよく開いた。 「相良さん!」 突如、小夜が相良に飛び付いてきた。 「桑原さん!どうしました?」 「血がっ…!」 抱きついてきた小夜の片腕には切傷があり、白いブラウスには血が滲んでいたのだ。 相良と柴田が、驚いた表情で小夜を見た。
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