第一話 「ストーカー」

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「どうして?」 か細い声が聞こえた……小夜の肩が震える。 声がした方向を見ると、もう1人女性が居た。 状況から察するに、彼女が小夜の友人だろう……そして、彼女の手に握られているナイフには真新しい血が滴っていた。 「ストーカーは、君か。襲われて怪我をしたのも嘘だな」 相良が落ち着き払った表情で女性をみた。 続いて、彼女の手に巻かれた包帯を見る。 「その怪我は、手に持ってるナイフでつけたんだろう…」 相良の台詞にも、彼女は答えない。 「美也子ちゃん、どうして?」 「桑原さん、下がっていてください!危ないですよ」 小夜も信じられないと言いたげに美也子を見つめる。小夜を庇う様に柴田が彼女の前に出た。 美也子は、もはや正気を失った目を向けていた。
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