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「先生っ!!」
「私は、大丈夫だ!」
美也子を押さえたまま、相良は、何て事ない様に笑ってみせた。 遠くからサイレンの音が聞こえる……救急車とパトカーだろう。
美也子は、そのまま警察により連行された。
彼女は、ずっと虚ろな表情で小夜の名前を呟いていた。
そんな彼女を小夜は、悲しげに見つめていたのだった。
「美也子ちゃん、どうして……あんな事を…」
傍らにいた柴田が、困った表情をしながら、彼女にかける言葉を必死に考えている間に、相良が口を開いた。
「……知らなくていい。言ったところで、貴女に理解出来ないからな」
「……」
その台詞を聞き、小夜は、それっきり黙ってしまう。
小夜も分かっているからだ、美也子の気持ちは分からないし、受け入れる事が出来ないだろうと。
友人として、美也子が好きだからだ。
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