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「貴女、ホントいい仕事するわね!これ、少ないけどお礼よ!」
夫人はシャネルのバックから分厚い封筒を取り出し、相良に渡すとニコニコと笑い、じゃあね、と述べて、軽やかな足取りで事務所を後にした。
相良は、笑みを浮かべたまま手を振っていた。
テーブルに置かれた報酬を見て、ため息を着いた。
封筒の分厚さから考えて、数十万円は入っているだろう。
「金持ちって分からないなぁ~」
そう言い、相良は、再びパソコン業務に戻ったり、資料を眺めたり、ファックスを送ったりと慌ただしく過ごす。
やがて、昼時に差し掛かる時に事務所の扉が開いた。
「只今戻りました。先生!」
黒髪に紺色のスーツを纏う真面目で知的な雰囲気をした青年が買い出しから戻ってきた。
柴田圭吾……探偵助手兼秘書だ。
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