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街外れにある古びたビルにある相良探偵事務所……依頼があったり無かったりする日を送っていた。
「…何か楽しい事はないかな?」
所長デスクで書類を眺めていた相良がすぐ近くに座る柴田に声を掛けた。
「すみません。自分には……」
面白い事と言われ、柴田は必死に脳内で考えてみたが、該当する話題が無かったり、微妙だったりした為に、残念そうに相良に答えた。
だが、彼女は気を悪くする素振りはみせず、いつも浮かべている微笑みを柴田に向けた。
「ああ、柴田が気に掛ける必要はないよ。しかし……」
相良が何かを言いかけた瞬間だった。インターホンが鳴る音がし、柴田が立ち上がり、扉に向かう。
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