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「彼女が見せた写真には、切り取った後があった。隣に誰か写っていた痕跡がある……切り取った付近に、人の肩が僅かに写っていたからな!調査対象の単体写真が無かったんだろう」
「なるほど……恋人や婚約者の素行調査なら、よくありますよね」
柴田の台詞に、相良は、肩にかかる長い髪を払いながら、そうだな、と明るく言った。
「さて、出掛けてくる。留守番を頼むぞ、柴田」
「はい。行ってらっしゃいませ」
相良は、椅子に掛けていた上着をはおり、事務所を出ていた。
青空が広がる街は、ビジネスマンやOL、学生や主婦などで、ごちゃごちゃと賑わっている。
その近くにあるオープンカフェに相良は居た。
「依頼人の話だと、この近くに勤めているみたいだな。ああ、あのビルだな」
カフェの近くにあるビルを相良は眺める。
茶色のビルは、さほど大きくないが、掲げられた看板には、テレビや新聞で頻繁に名前を見る会社名であった。
奥平は、対象者の行動や交友関係を中心に見て欲しいと言ってたのを思い出す。
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