第二話 「恋人同士」

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「写真を見る限りは、真面目なサラリーマンだが……見た目では分からないからな」 相良は、写真や書類をバックに仕舞い、立ち上がり、会計を済ませ、店を後にした。 「さあて、お仕事だ」 相良は、ビルに向かって歩き出す。 羽田恵介は、会社から出るとため息をついた。 仕事が終わったという解放感と蓄積された疲労感が入り交じった表情を浮かべ、彼は、携帯を確認した。 着信はおろか、メールもない。 羽田は、更に深いため息をつくと携帯をポケットに仕舞う。 「飲みに行くか」 そう呟き、馴染みの店へと足を進めた。
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