196人が本棚に入れています
本棚に追加
太陽がジリジリと照りつける真昼……都内にある駅前のベンチで、高校生らしき若者と青年が佇んでいた。
茶髪に染めた柔らかそうな髪に、カジュアルな服を着た、相良恭也と、スーツ姿の柴田圭吾だ。
「しじまさん……お元気でしょうか」
「うん。少しずつだけど…。あ、来た!」
恭也が、片手を振る……その先には、花柄のワンピースを着た少女が駅から姿を現した瞬間だった。
肩まで長い黒髪に大きな瞳をした可愛らしい少女だ。
小さな鞄を抱え、周囲をキョロキョロと見渡していたが、恭也に気がついたのか、手を振ると小走りに近寄ってきた。
「恭也兄さん、柴田さん。お久しぶり」
西園しじまは、柔らかく微笑んだ後にに優雅にお辞儀をした。恭也も柴田も挨拶を交わす。
最初のコメントを投稿しよう!