第一話 「ストーカー」

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「綾ちゃん、会いたかったわ~相変わらずキレーねぇ」 その口調が全てを台無しにしている。 引き気味になる柴田と対象的に相良は、相変わらず微笑みを浮かべて来客を迎えた。 来客をもてなすスペースで二人は向かい会って座る。 柴田は、黙ってデスクワークをしている。 「神崎さん、暫くぶりです!この間はどうも!」 「ワタシの情報、お役に立ったみたいで嬉しいわ。綾ちゃんお金払いもいいから大好きよ!」 「私も神崎さん、好きですよ。見事な仕事っぷりと相変わらず素敵で!」 「あら、両想いね!」 室内に二人の笑い声が響き渡る。柴田一人が、儚げな表情をしながら仕事にのめり込んでいた。 (この雰囲気だけは……慣れません) 柴田の思いを知らない二人は、大声で笑ったりしながら談笑をして過ごしたのだった。
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