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「いきなり訪ねて脅かしてみようかと……夕飯の時間にでも。昔、周助兄さんが教えてくれた方法なんだ。面白いからって」
「昔あったバラエティ番組みたいですね。……いえ、せめて連絡しましょう!入れ違いになったりしたら大変ですよ」
「……周助さん、何を考えてんだろ」
感心する様な台詞を述べた後に柴田が、的確な事を言った。
それには、恭也も頷いた。
しじまは、つまらなさそうな表情をした後、携帯で西園に電話を取ると……彼女は、固まった表情を二人に向けた。
「篤兄さん……昨日から主張で東京に居ないって…」
「……」
三人の間に沈黙が流れた。ふと、しじまが名案が閃いた様に両手を叩いた。
「夕飯時に訪ねるの……綾女さんの家にしようかな。遊びにおいでって言ってくれてたから」
「えっ!?姉貴ん家!?」
恭也の脳裏に、相良が住むマンションに突如、しじまが尋ねるビジョンが鮮明に思い浮かぶ。
同時に、姉のリアクションもだ。
諸手を広げ、高らかなテンションと不敵な微笑みを浮かべながら、〝しじまちゃんじゃないか!よく来た、いらっしゃい!〟
とか言いながら、何事も無かった様に彼女を招き入れるビジョンだ。
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