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テーブルについてるメンバーは、全員が変装していたのだ。
柴田は、髪を七三に分け、銀縁のメガネを掛けて、普段より地味目なスーツ姿に、恭也は、黒髪のカツラを被り、黒渕メガネに学ラン姿、しじまは、丸いフレームの眼鏡に、髪はツインテール、シンプルな礼服風のワンピース姿だ。
「恭也兄さんの服や眼鏡は何処から調達したのかな?」
「眼鏡は、私物です。恭也くんの服は借りました」
解せない様子のしじまは、首を傾げている。
「なんで、こんな格好を…」
「恭也くん、調査には変装が基本です」
伊達メガネの縁を片手で持ち上げながら、言うが、恭也は全く納得出来ない。
夕飯をご馳走するから、手伝いをして欲しいと言われたので二人は着いてきたのだ。
(事務所の掃除とかかと思ったんだけど……まさか調査の手伝いなんて)
いざ着いた場所は、高級レストランであり、予約した席には、見慣れない青年が先に座って、恭也らを迎えたのだ。
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