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「圭吾さん。つか、ソイツら誰?」
青年の台詞だった。恭也の正面に座る青年は、恭也と同じ年頃で、黒髪に切れ長の目をした青年で、シンプルなスーツ姿だ。
なかなか格好よい青年だが、目付きが剃刀の様に鋭くて、近寄り難い雰囲気を纏っている。
「彼は、椎名くん……調査対象の弟さんです」
「椎名龍之介……好きに呼んでいいーぜ。ちなみに高二な」
青年は、ややぶっきらぼうに言った。
取りあえず、恭也らも挨拶を交わす事にした。
「西園しじま、九歳。しじまでいいよ」
口調と裏腹に、丁寧に頭を下げて挨拶を交わす…。
「相良恭也……高二です。えーっと、宜しく」
恭也が挨拶をすると、椎名の目は見開き、恭也を見つめた。
直ぐ様、柴田が彼に耳打ちした。
「綾女さんの?ふぅん」
そう言い、後は興味を無くしたのか、彼は、テーブルの料理を食べ出した。
「……柴田さん、何一つ理解出来ないんですが…」
「後で嫌でも出来ま……あ、来ました!調査対象が!」
柴田が小声で言いながら、入口付近を指差すと、三人は、目線をやる……恭也としじまは、危うく叫びそうになった。
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