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鮮やかなターコイズ色をしたワンピースを着た相良と金髪の上品なスーツを着た青年が現れたからだ。
「綾女さんだ」
「調査って…」
混乱した二人を見て、椎名は口を開く。
「綾女さんと兄貴のデートの尾行だよ、オレら」
椎名が眠そうに欠伸をしながら言うと、恭也は唖然とした顔をする。しじまでさえ、ポカンとした表情をしている。
恭也は、気を取り直して、再度、綾女たちを見た。
金髪青年は、椎名の兄と言っていたが、余り似ていない。
しかし、長身で顔立ちも美形と言ってもいい……綾女も口さえ開かなければ、美女といえる為に、お似合いのカップルに見えた。
「姉貴に恋人かぁ……なんか、意外だ」
「遠いからよく見えないが……お似合いじゃないかな?紳士的だし、いい人っぽいし」
恭也としじまがそれぞれの感想を口にした。
だが、柴田だけが堅い表情だ。
料理を皿に取り分けていた椎名が、全く動じる事なく、喋りだす。
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