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「さあて、話は大体理解した!しじまちゃん……ウチに来るか!」
空になったカップをテーブルに置き、相良はニッコリと笑う。
しじまは、表情を明るくさせた。
「女同士だしな、明日も事務所は休みだし、一緒に遊ぼう!」
「有難う、綾女さん」
恭也は、反対しようかと考えたが、しじまが嬉しそうだったからか、しなかった。
相良は、すでに眠そうなしじまを抱き抱えると、伝票を片手に立ち上がる。
「お先に失礼するよ。恭也、柴田に送ってもらうといい……夜は危ないからな」
「お任せ下さい!先生」
水を得た魚の如く、柴田は了承した。
それまで、黙っていた椎名が無言で立ち上がり、相良に近寄った後、しじまを彼女から放し、代わりに抱えた。
「駅まで送るよ、綾女さん……今日は電車だろ?」
「んー大丈夫だって、龍之介」
「綾女さんだけじゃないからな、しじまも居るし、心配なんだよ」
そう言うと、彼は、伝票すら奪いスタスタとレジに向かう。
相良は、首を傾げた。
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