第三話 「調査」

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「いーじゃない、送ってもらいなさいよう~綾ちゃん」 「夜道は危ないですから、龍之介くんの好意に甘えては如何ですか?先生」 神崎は、笑顔で片手をヒラヒラさせながらアッサリと言った。 すると相良も、そうだなと納得し、足早に後を追った。 三人が店を出て、駅に向かう最中、相良はいつも浮かべている微笑みを傍らを歩く青年に向けた。 「久しぶりだな!背が伸びて、逞しくなったじゃないか!格好いいぞ」 「今に兄貴を抜くぜ?綾女さんよかデカくなったんだからな~」 龍之介は、嬉しそうに笑うと、自慢げに語る。 恭也らと居た時とは違い、年相応な雰囲気がしている。 「久しぶりに美味い中華食べれたし、綾女さんや圭吾さんに会えたし……楽しかった」 「そうか!また皆でご飯食べようか!私の奢りだ!何が食べたいか考えておくといい」 「うん、楽しみにしてる」 龍之介は微笑むと、相良も笑みを返した……三人の姿が駅のある方角に消えた。
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