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「恭也と仲がいいんだな」
「うん。前にお世話になったし。兄さんみたいな存在かな」
しじまは嬉しそうに言った。程無くして、インターホンが鳴り、しじまがモニターで確認すると、待っていた人物……恭也が居た。
数分後、室内に恭也がやって来る……私服の椎名と違い、制服姿に鞄を下げていた。
走ってきたらしく、髪が少し乱れていた。
「ごめん。ミーティングがなかなか終わらなくて」
「いらっしゃい!恭也兄さん」
しじまが嬉しそうに恭也を迎えた。
恭也も挨拶を交わした後に、初めて訪れた相良の家を見渡した。
家具も生活用品も一通り揃っていて、清掃もキチンとされている。チラホラと変な置物がある以外は、普通の部屋だった。
(変な置物があるな……河童とか鹿が二足歩行してるヤツとか)
「綾女さんって、変な置物とか飾るの好きなんだよなー。修学旅行の土産に河童の焼き物リクエストされたし……探すの苦労したぜ」
恭也の目線に気付いたのか、椎名が呆れた笑いながら、窓際に飾られた珍妙な表情をした河童の焼き物が飾られてるのを指差しながら言う。
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