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「貴女が探偵さん……神崎さんが仰っていた通り…」
小夜は、ぎこちない笑みを浮かべながら、頬を染めた。
彼女が言った言葉に対し、相良は首をかしげる。
「とても、綺麗な女性だと伺いまして……モデルさんみたいです」
話し方も歌う様で、聞いていると安心感さえ感じる……小夜は、照れくさそうに顔を赤くした。
「今、お茶を淹れます……どうぞ、彼方へ」
「はい、有難うございます」
柴田が席に促すと、小夜は頭を下げる。
柴田がお茶の支度をするために台所に消えると、相良は小夜と向かい合わせに座った。
「さて、依頼を伺いましょうか。桑原さん」
「はい……その、私……数週間前から、ストーカー被害というものにあっているんです」
小夜の表情には、先ほどまで無かった恐怖の色を浮かべていた。
「ストーカーですか」
「マンションの郵便受けにこんな物が……」
小夜は、鞄から白い封筒を数枚取り出し、相良に渡す、見てもいいかと確認し、相良は封筒から白い便箋を取り出し、眺める。
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