プロローグ

10/13
前へ
/13ページ
次へ
家から徒歩で約40分の場所に、俺や兄貴が通う学校───萩之浦学園がある。 今年で創立35年の高等学校。 生徒数は3学年合計554名。 [生徒達の自主性を尊重する] をモットーとし、3年間という課程の中で体育祭や文化祭等の恒例行事を、生徒会が主催、運営させる事によって 生徒達が持っている個性を伸ばし、行事に対する責任感を持たせ、仲間と共に1つのコトを成し遂げる協調性を育てる事に重点を置いている。 故に、萩之浦学園に通う俺達生徒は入学後 生徒会直轄の、数ある委員会の内1つに所属し、属した委員会に関係する行事がある時は必ず参加しなければならない。 …ただそれ以外は、わりと融通のきく学校な訳で… つまり、だ。 やる事さえしっかりやってくれれば、それ以外は生徒の自由にやらせても構わない、てな訳である。 …流石に、全て自由にやらせると色々と問題が発生してしまうから、必要最低限の規律はあるんだけど。 「ああぁ────キっツ!」 学校へ向かう学生達が日常的に通る道のり────通学路。 ソコに高確率で存在する、最後の難関。 行きは悪魔の顔を覗かせ 帰りは天使のような微笑みを印象付ける二面性を、この場所は持っている。 そのような特性故に 自転車通学の俺にとって、この場所はまさに天敵なのである。 通称“天使と悪魔の住まう道” 俺はこの場所をそう呼んでいる…
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加