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「…………
お前…また、視たのか?」
今の俺の状態を見るや、瞬時に状況を察したこの人物は俺の1つ上の兄貴。名前は[稲村 和哉]
家事全般その他諸々を人並み以上にこなせる兄貴は、両親不在であるこの家ではとても頼りになる兄貴だ。
性格も良く、男女問わず誰とでも気兼ね無く接する事が出来る為、俺達が通う学園では人気は高い。
俺も昔は兄貴に色々と世話になっていたのだが…
このまま世話になりっぱなしだと将来、兄貴に物凄く依存する生活になってしまと、ある時に思い
個人的な問題、そして自分でも出来る事は極力、己の手で片付けようと決めた。
兄貴にもそう話をした。
「まぁ…ね。でも………何時もの事だし、大丈夫…」
「─────そう、か」
────故に
俺が思い出せない夢のせいで苦しんでるのを、ある日知ってしまった兄貴が、「俺も解決する方法を探す」と言ってくれたのに対し、俺は「自分の事は自分で解決するから…」と申し出を拒否。
食い下がる兄貴だったが、最終的には兄貴は折れ…
『兄貴として、弟の心配ぐらいはさせろよな?』
─────で、現在に至っている。
「……行けそうか?無理なら休むか?」
兄貴の問いかけ。
、俺が学校に行けそうかどうか。
この疲労感…下手をすれば指1本動かせなくなる場合もあり、そのせいで俺は何度か学園を休んだ事がある。
ソレを危惧しての問いだった。
「まぁ、前回より疲労感はマシな方だから……うん。問題ない」
今の体調を考慮し、大丈夫だろうと判断した上で俺はそう答えた。
「そうか」
答えを確認し薄く笑う兄貴。
俺に背を向けると、部屋の外へと歩き出す。
扉を開け、廊下へ出ようとした時、不意に立ち止まり顔だけをこっちに向けた。
「行くなら朝飯食べるだろ?」
「もちろん」
「なら先に汗を流してこい。後、窓を開けて換気しておく事だ。…………汗臭いぞ、この部屋」
「────っ!?
う、うるせぇ!そのぐらい分かってるわぃ!」
最後に「分かってるならいい」と言い、兄貴は漸く部屋を出ていった。
「さ、最後のは余計なお世話だ…!」
ため息を付きながら布団から出る。
……汗臭く感じたのは確かだったので、先に部屋の窓を全開にし
タンスから着替えを取り出して俺は部屋を出た。
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