――邂逅――

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「芹沢さん…」 「おぅ…やっぱりあんたが来やがったか」 近藤さんの呼び掛けに、こちらを振り向きもせず芹沢と呼ばれた男は答える。 その不躾な態度にカチンとくるものを覚え、僕は一歩踏み出そうとして―――… 「止めなさい、総司」 止めたのは、馬鹿にされた張本人の近藤さん。 「でもっ」 「いいから。それに…今踏み込むのは得策じゃない」 「…え?」 近藤さんの言葉を理解するのに、さして時間はかからなかった。 たったの今まで、確かに芹沢は薪にマキ代わりの机や椅子の破片を投げ入れていた。 とても無防備に。 だのに、いつのまに動いたのか芹沢は抜刀していた。 踏み込んでいれば、一刀に伏せられていたのが嫌でも解る。 「……っ」 「勘が良いな、近藤さんよ…それに坊主もな」 「馴れ馴れしいって…言われませんか?」 噛みつく様にぶつけた言葉。だけど芹沢は口角をほんの少しだけ持ち上げただけ。 ……笑われた? 「芹沢さん。私達の要件は解っておられるはずです」 「これか?」 ひょいとマキを一本持ち上げ、芹沢はそのまま薪へとくべた。
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