はじまり

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暑い。ただひたすら暑い。 それ以外に 思うことがありません。 そりゃあ、夏だから暑いのが当たり前なんですが今年の夏は特に暑いです。地球温暖化です。 いえ、地球温暖化なんてなまやさしいものじゃありません。地球あっつあつのフライパン上化です。 焼けます。こんがり焼けます。 美味しく仕上がります。 俺、高根綾(たかねりょう)はこの暑い中自室で転がっています。フローリングの床がちべたいです。でもすぐ転がらないと、瞬く間にあったかくなりやがります。 高校入学して最初の夏。 こうも暑いと何もやる気が起きません。 「なぜ壊れたんですかクーラー…」 俺は昨夜、キーッキョピーッ!とか奇怪な音を発しながら突然壊れたクーラーを睨みつけます。クーラーがないなんて、この夏乗りきれませんっ!もう冷蔵庫にこもって冬眠してやるんだからっ! あっ、今は夏なので夏眠ですね。間違えました。でもこれも暑さのせいにします。 冗談はさておき、どうしましょうか。やはりクーラーを新しいもの変えていだだきたいと両親に懇願するのがベストでしょうか。 『新しいヤツ買ってもらわにゃいと僕もつらいにゃ~』 「ですよね。うに」 今までベッドの下にいた茶色いトラ猫が這い出してきて俺にそう言い、俺もそれに同意します。 「じゃあ、うにも一緒に頼みに行きましょう」 『いいけど…綾以外には僕の言葉は分からにゃいにゃ』 そうでした 僕だけでした うにだけではなく、 猫と話せる―― こんな不思議な能力を持っているのは
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