一話◇「永久中立国、ファルム」

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「そういえばサクさん」 「おぉ?」 「シルフさんも同じクラスにいましたよ」 「シルフさん?」 「あれ、サクさん新入生代表の挨拶の時は起きてましたよね? 新入生代表の子ですよ、あの美人な」 「あぁ……」  何故かお堅いイメージしか出てこなかったが、たぶん悪いヤツではないはず。新入生代表になるほどのカリスマだ、なるべく仲良くしておきたい。  羊皮紙を覗く。  1ーE、シルフ=カミカゼ。確かに書いてあった。 「風の国出身か」 「名字を見るからにそうっぽいですね」  俺の中の血がたぎった。いつか手合わせ願いたいもんだ。  なんか俺、戦闘狂みたいだな……否定はしないけど。 「この後は?」 「顔合わせだけはあるみたいですよ。 あとサクさん、お顔が怖いことになってます」 「むっ、そうか」  顔をぐにぐにして、筋肉をほぐす。メイリア、笑うな。 「あはは。 なんかボク、サクさんが選抜された理由、分かったような気がします」 「そうか、だが気付くのが遅いぞ。この品行方正なオーラを見た途端気付くくらいにならないと」 「どの口が言うんですか」
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