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「はい、静粛に」
1ーE担任、火の国出身のクランジア=シャングリア教諭が、場を静める。
先ほどまでクランジア教諭の自己紹介で、クランジア教諭が「まだ独身です」なんて言ったもんだから(主にアホ男子たちのせいで)場が盛り上がってしまったのだ。
クランジア教諭はいわゆる知的美人系で、盛り上がるのも、手を出しづらい雰囲気を持ち合わせているから独身なのも分かるが、何も今言うことはなかったのではないかと俺は思う。
――場も少し落ち着いたところで、クランジア教諭は仕切りなおす。
「ラジア先生、と気軽に呼んで、是非ともいろいろと頼ってくださいね。 では、続いては皆さんの自己紹介へと参りましょうか。 出身、名前、これから学園生活を過ごす上での一言までは必ず言ってください。あとは自由に――例えば趣味等も付け足していただいて結構です」
ほどよい臨場感と緊張が場を占める。まるで戦いの前のようだ。
俺はどのように自己紹介したものか。順番はまだまだ先だから考える時間はあるものの、いかんとも思いつかない。テンプレートに沿った自己紹介でいいかと考え至った時、不意に後ろから背を突かれた。
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