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「ふぅ……」
ひとまず、これでよしとしよう。あれから結構時間もたったことだし。部屋もキリのイイところまで片付いた。
……外にでも出てみようか。先ほどから、だいぶ賑やかになった気がする。
窓を開けて、まず真っ先に肌寒い空気が入ってくる。もう春とはいえ、まだ冬の残滓が頬を刺す。
それに構わず、四階のこの部屋から校門のほうを眺め見る。
「うぉぉお……!」
思わず、唸る。
そこには沢山の人が一つの生物のように蠢く姿があった。
こいつら全員、それぞれの国の精鋭だってのか……。
背中が粟立つ感覚。
――これだ。
俺は長いことこの感覚を待っていたんだ。
故郷、レヴィアンの臨海に位置する町ティーダでは味わえなくなってしまった、強者との邂逅という最高のスパイス。
この学園では、護身のため、将来のためという理由で武術の授業が多く採用されている。
年に二回、武術大会が開かれるほどである。
――異種族との共闘、戦闘、そして交友。
俺がやりたいことが、この学園では全てやれる。
ああ、早く始まらないだろうか、入学式。
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