~ある噂話~

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昨夜見たテレビの話や、今日の放課後の予定。 顔見知り同士の他愛も無い会話が、校門から下駄箱へ。 下駄箱から教室へ運ばれてゆく。 何の変哲もない、誰もがそう信じて疑わない、何の変化もない朝。 風がかすかにあって、校舎を囲む木々がざらざらと葉音をたてた。 それは心地好くもあったし、不快でもあった。 ───と、窓から差し込んでいた陽光が人影に遮られた。
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