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「なんだ稔、休み明け早々にシケた面して」
教室の机に寝そべって窓から見える景色をぼうっとして眺めていた僕に、悪友の狩野啓司が言った。
「───いきなりご挨拶だな」
僕は苦笑しながらも、目の前に立った彼を頬杖を突きながら見上げた。
───悪友、といって差し支えがない程度には柄が悪い風体。
髪の毛は赤みの強い茶髪。
178㎝と同年代の男と比べて大柄で、肌は浅黒く焼けている。
耳にはピアスが輝いており、胸のポケットにはライター。
「───生理か?」
と、眉をひそめて聞いてくる。
相変わらず、朝から愉快なコトをのたまってくれる奴だ。
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