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狩野とは中学の頃からの付き合いで、ずっと一緒のクラスという腐れ縁だ。
しかも高校という新天地でも2年間同じクラスなのだから、腐れ縁を通り越してなんだか呪いめいたモノすら感じるが───ともかく、
「お前こそ休み明けで朝から学校に居るなんて拾い喰いでもしたのか?」
「ひでぇな、少しは俺が勉強する喜びに目覚めたとか思わねぇ訳?」
「全然思わないし、思えないし、思いたくも無い」
わざとらしいオーバーアクションで訴えてくる狩野を半眼で眺めて、バッサリと言ってすてる。
「流石稔、俺の事わかってくれてるねぇ~」
堪える風もなく、ニシシッと笑う狩野──が、急に神妙な顔をして
「───なぁ稔」
「金ならもう貸さないぞ。それに前に貸した金、まだ返して貰ってないぞ」
「馬鹿、そんなんじゃねぇって」
いつもの狩野と違い、真面目な話みたいなので冗談は止めて聞く事にした。
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