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「なんだよ?」
「お前の好きな話を持ってきてやったんだよ」
───僕が好きな話といえばそう多くない、というか凄く限定される。
とりあえず眼で続きを促すと狩野は軽く咳払いをしてから切り出した。
「実はな…最近この学園の生徒の家出が多発しているらしいぜ。ま、2~3日もしたら帰ってくるから学園側や家が世間体を気にして揉み消しちまって表沙汰になっちゃいねぇんだけどな」
腕を組んで、神妙な面持ちで話す狩野に逸る気持ちを抑えつつ問う。
「───ほんとかソレ?けど別にそこまで気にするような話でも…」
「いや、なんか奇妙な話なんだけどな───」
そう前置きして、話された内容は確かに奇妙であった。
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