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騎菜 龍斗、十六歳、高校二年。
今は暖かい布団にくるまって、至福の時を過ごしている。
面倒くさい事に今日は二年の始業式。
せっかくの春休みが昨日で終わってしまったのだ。
なので、睡眠、睡眠だけはギリギリまで・・・・・・
「お兄ちゃん・・・・・・朝だよ」
なんて思ってたらドアの外から甲高い声。
俺はもう少し眠りたいってのに。
「・・・・・・起きてないの? グヒヒ。なら私が起こしてあげるもんね」
そんな不吉な声と共にドアが開かれる。
ちっ!本当に入ってきやがった。
俺は意地でも起きないぞ。
必殺の狸寝入りを発動してやる。
「お兄ちゃん? ふふふ。本当にお兄ちゃんは可愛い寝顔してる。もうチューしてあげるチュー・・・・・・」
耐えろ俺。
どうせ嘘に決まってるんだから。
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