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目を覚ませば・・・その言葉は、潤を少しだけ落ち着かせた。
そして落ち着かせた潤は、1つ疑問を抱いた。
「さっき、街で見た人たちは・・まさか・・・」
知らず知らず疑問を口に出していた。
「そうです・・彼らは、あなたと同じ世界の人々で、彼らの場合・・命の尽きた果てに、こちらの世界に来たのです」
立ち上がり、窓から街を見下ろしながら、姫は疑問に答えた。
先ほどから、潤の隣に居たザイルが口を開く。
「君と彼らの違いは、命があるか無いか・・・君の場合、命があるから感情もあり感覚もある・・命が無い彼らは、何も感じないが(欲望)だけはある」
潤の肩に手を置き、ザイルは自分と彼らの違いを説明する。
「・・・つまり、命が尽きた時には・・・」
何も話さず動く彼らを思い出しながら、潤はザイルに呟き俯く。
「あぁ、その時は・・彼らと同じ生活だな・・・・」
そう答えると、ザイルは潤に背を向けた。
「しかし、あなたは危機に陥っているとはいえ、一定の(場所)に命がある・・と言えます」
窓から視線を潤に移し、姫はハッキリと言う。
そして同時に、ある提案を潤に告げた。
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