0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
2回目に倒れた時、父は医者に呼ばれてその場を離れた。
母は、発作を抑える点滴をするため1時間ほど動けない。
私はジュースを買って、近くのベンチに座って放心していた。
母の苦しんでいる姿を初めて目にした私は衝撃を受けていた。
あんなにも苦しんでいるのに、怖くて胸を叩いてあげることしか出来なかった。
「良いですか??Nさん」
微かに聞こえたのは、医者が家族の名字を口にした声。
無意識に聞き耳を立てる。
「次に発作が起きた時は、奥さんの死を覚悟しておいてください。喘息の薬で心臓が弱ってきています。次に意識が戻る可能性は低い、50歳まで生きられるかどうか…」
言葉を失った。
母が死ぬ??
そんなのある訳ない。
だって、発作が起きなければ大丈夫なんでしょ!?
だったら起こさなきゃいいんじゃん!!!
最初のコメントを投稿しよう!