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部活が終わると宗磨は必ず体育館に迎えに来てた。
「じゃーね奈津美」
エリとアキは帰って行く。
「バイバーイ」
当たり前の日常だったけど、「私もたまには二人と帰りたい」と愚痴がもれた。
「え?何で?」
宗磨はキョトンとした。
「何でって………」
「お前は俺がいるからいいだろ」
宗磨は私の言葉を遮った。
まだ子供な私は宗磨のその一言にキュンとなって、頷いた。
昔から一緒だから、今更好きだの付き合うだのって言葉が私達にはなかった。
宗磨は私の事好きなのかな?
昔から一緒だから今もいるだけなんじゃ…と思い始めた。
帰り道に、あの先輩が誰と付き合ってるとかって言う話になった。
「中学になると何か増えるよね」
小学生の内じゃ“両思い”で終わるのに。
「宗磨は好きな人いないの?」
私はサラリと自分でも不思議な事を宗磨に聞いてしまった。
…いや、本能で聞きたかったのかもしれない。
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