記憶

2/5

57人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
白い雪に鮮血が散った。 ――あれはまだ寒い冬だった。 雪国の田舎町で育った私は、バカの一つ覚えのようにこの恋しか知らなかった。 全てがスローモーションに見えた。 宗磨(そうま)の顔が一気に歪んだと思ったと同時だ。 気付けば私は冷たい雪の中に顔を突っ込んでいた。  
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加