58人が本棚に入れています
本棚に追加
痛いという前に悲しさが込み上げた。
いや、痛いは痛い。
駆け寄る友達の声も、差し出されるハンカチも、宗磨に罵声を上げる声も……
何も聞こえないし
何も見えない。
宗磨は
いつからこんな人間になってしまったのだろう。
倒れ込んだままの私に苛ついて近づく。
ギュッ…ギュッ…という雪を踏む音が近づく。
気配に感じて振り返ると同時に宗磨は私の胸ぐらを掴んだ。
その時私の目に映った宗磨の顔を忘れられない。
この人を変えてしまったのは私だ。
そう思っていたらもう一発拳が飛んできた。
最初のコメントを投稿しよう!