追憶

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私と宗磨は小さい頃から一緒だった。 幼なじみのようだったけど、昔から恋愛対象同士だった。 田舎町ではありがちなパターン。 そのありがちにまんまとハマった私は、宗磨と一緒に居ることを揺るぎなく信じていた。 そして二人の親友、エリとアキも私にとってかけがえのない友達だった。 三人一緒なら何も怖くない。 中学へ上がると私達の素行は悪くなるばかりだった。 地元じゃ悪い学校と言われたが、そこしか中学校はないから仕方なく入る感じ。 でも私は悪いながらも部活に励んだ。 三人一緒にバレー部に入部して、毎日練習に明け暮れた。 「どうせ弱いんだから練習しても意味ねぇよ」 笑いながらエリが言った。 「することないよりよくね?」 ボールで遊びながら私は言う。 「奈津美さぁ、宗磨とどうなってんの?」 アキが切り返した。 小学生の時とは違うこの感じ。 中学に入ると途端と恋愛話が大人な話に思えた。  
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