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「ねぇ、やっぱ今からでも足利に連絡して来てもらえば?」
『え、いいよ…だってあーちゃん今日バイトだって言ってたし…』
たかだか道案内の為にバイト休ませるわけにいかない。
今日は日帰りで上京。
原宿のヘアサロンを見て回る為。
専門学校の卒業はまだ半年以上先だけど、下見も兼ねて就職活動を始めてる。
地元のヘアサロンでも良いといえば良いんだけど…
どうせなら激戦区の都会で揉まれてからのが腕も上がるんじゃないかと卒業後上京予定です。
「…足利ダメなら金子は?」
『………』
ゆかりの口から清ちゃんの名前を聞く。
清ちゃんとは高校卒業後、本気で一回も連絡をとっていない。
会ってもいない。
年に数回、あーちゃんが帰省してきた時も彼は同行していなかった。
上京後、一回も帰省すらしてくれてない。
まぁ…帰省しても私には連絡くれないだけなのかもしれないけど…
ずっと彼の情報はあーちゃんから聞いている。
『…ゆかり、清ちゃんは無理だよ…』
例え時間が空いてたとしても会ってくれるわけがない。
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