8人が本棚に入れています
本棚に追加
「…じゃあ、とにかく気をつけて歩きなよ」
『うん。わざわざありがとね』
「ううん、じゃ、また掛けるね」
ピッ
小さい音を立てて携帯が通話終了を知らせた。
『…さて…』
ちびっこ代表由美さん、頑張って原宿向かいます!!
なんとか人混みに飛び込んで電車に乗り込み…
若者の街、原宿!!
…着いたはいいが、また呆気に取られてしまい、人に流されてしまい…
表参道に行く予定が竹下通りに流されてしまった…!!
『…わわっ…え…ちょ……』
どうしよう…
頭の中の地図は表参道ルートの為、竹下通りから目的地に行く道が解らない…!!
地図を広げたくても人混みで荷物広げるなんて、とても無理。
流されながら若干諦め、周りを見ながら地図を広げれる場所を探し歩いた。
…あ…
歩いてたら、シルバーアクセの店が目に止まる。
『いらっしゃいませ』
『…あ…』
『何かお探しですか?』
『あ、いえ…そういうわけじゃ…』
『よかったら店内に女性的な細身のものもご用意してますから、見ていって下さいね』
感じの良さそうな爽やかなお兄さん。
爽やかだけど髪の色は奇抜な金髪だし、ピアスの数も半端ない。
…流石、原宿。
とか思う自分、本当田舎者なんだなぁって感じた。
店内に少し入ると、先程まであった人混みの圧迫感が薄れた。
『あ、あの』
『はい』
お店の人に聞くのはお門違いかもしれないけど…
『すみません、ちょっと道…教えて頂いてもいいですか…?』
『あ、はい。全然構いませんよ!』
感じよく、丁寧に説明してくれたお陰でルートの想像が出来た。
『解りました。ありがとうございます』
『いえいえ』
あまりに丁寧に親切にされると…なんとなく道聞くだけで店から出るのも悪い気がして来ちゃった…
最初のコメントを投稿しよう!