金沢由美編

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『……あ……』 お兄さんを挟んで壁に展示されてるネックレスが目に入った。 小さいスカルのトップ。片目に赤い石が埋め込まれてる。 だいぶ丸みを帯びていてポップなスカルだけど… 似てる。 文化祭の時、清ちゃんがくれたピンキーリングに。 『…それ、気になりますか?』 『え?』 『これ、小さいけどルビーなんですよ。トップも凄い小さいので女の子でも合わせやすいと思います』 値段もシルバーにしてはお手頃なんですよ。 って、お兄さんは電卓を叩いてくれた。 『これに…チェーン合わせても…こんなもんです』 あまりシルバー買った事ないから解らないけど…チェーン入れて1万いかないのは安いかもしれない… 『ちょっと付けてみません?』 『いいんですか?』 お兄さんは展示品を外して首に回してくれた。 『お客さん、似合いますよ。これスカルですけど全然ごつくないから花柄ワンピとか甘いのにも意外と合うんですよ。ちょっとしたアクセントに。後はチョーカーに通しても可愛いと思いますよ』 『…確かに可愛いですね…』 小振りでちょこんとしたスカル。 片目のルビーが存在をさりげなく主張してる。 『よかったらご検討してみて下さい』 『…あ、はい…あ…でも…』 凄い気になる。 『やっぱこれ、下さい』
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