事の始まり

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「…生天目。」 店長は声のする方を向き、その名を呼んだ。 「え!?…今何て言ったんですか!?」 何と言ったのか聞き取れなかったなるみは店長に訊ねた。だが答えたのは店長ではなかった。 「ふふふ…私は生天目詩鶴(なばためしづる)よ。生・天・目って書いてな・ば・た・めって読むの。よろしくね、新人さん。」 ゆっくりと丁寧に教えてくれた詩鶴という女性。それにしても、うっとりするような綺麗な声の持ち主だ。 声だけでなく、その容姿もやはり素晴らしかった。 肩までの長さの艶のある黒い髪。すらっと細い手と足。プロのモデルになれそう。 女のなるみでさえ完全に見とれていた。というかどっかで見たような…。
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