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刻は流れ、その日の昼休み。
「──全く、何なのよアレは!?転校生があんなのだったなんて聞いてないわよ!」
美雫と春歌は机の上に弁当を広げながら、朝の転校生騒動について話していた。
因みに当の本人は、昼休みを知らせる鐘の音が響くと同時に屋上へと歩いて行った為、今は屋上にいる。
故に教室では、春輝がいないのを良い事に、皆が好き放題を言っていた。
鬼の居ぬ間に、ということである。
美雫もその一人で、春歌に先程の春輝の行動を、春歌に向かって吐き捨てる様に文句を言い続ける。
しかし話しかけられている春歌は、
「うん、そうだね~…」
眼は何処か遠くを見つめ、返事には気が入ってなく、完全に上の空だった。
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