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「ちょ…聞いてんの、春歌ぁ~?」
「うんー…」
返事だけはするものの、美雫の問も完全に耳に入っておらず、目も合わない。
「ダメだこりゃ…」
春歌の様子に、美雫は呆れた様にため息をついた。
美雫が春輝の話をするのを諦め箸を手に取り、弁当を食べようとしたその時、
「ね~、美雫ちゃん」
「ぅおっ!急にどうしたのよ春歌!?」
先程迄何を訊ねても答えなかった春歌が、不意に美雫に声をかける。
先程までとは打って変わって唐突に口を開いた春歌の声は、見事美雫の意表を突いたらしい。
そんな美雫の気も知らず、春歌は未だ上の空な表情で、ゆっくりと口を開いた。
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