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「では、私はそろそろ失礼します」
一通りの挨拶を済ませ、詩季は先に事務所を後にした。
公偵はというと、依頼料を支払いたいとしつこく粘っていた。
事前に公偵が依頼料を支払いたいと詩季に言ったそうだ。しかし、遥は日数も掛けていないし、何もしていないからと受け取りを拒否していた。
「これは気持ちの問題ですから」
遥は公偵に根負けして、渋々依頼料を受け取った。
遥は公偵のような人間が苦手だった。
娘に愛情を一心に注いできた人間であり
自分に真っ直ぐで情に熱く
根っからの善人であろう公偵が…
自分が知らない世界の住人である公偵が…
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