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一週間後
「今日は朔月居ないのか」
例の誘拐事件はいまだに解決せず、ニュースなどのメディアによれば、三日月は連続誘拐事件に何らかの関与があったと思われる、とかなり曖昧な情報しか発表していないのだった。
「朔月は今日オープンした大型のショッピングモールに行ったよ」
いつも通り悠の家へ来る遥
「お前は付いて行かなかったのか」
「僕は人混み苦手だし、朔月は緋色を連れて買い物に行ったよ」
遥はいつも通り悠の書斎にある無数の本から一冊を取り出し、いつもの場所に座って読み始める。
緋色とは以前悠が親殺しを手伝った少年であり、悠と朔月の幼い頃と同じような境遇に立たされていた2人を見た朔月が、唯一手を差し伸べた人間である。
今は妹の朱奈と一緒に施設に居る。
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