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『鈴蘭の家』で働く5、6名の職員もすべて此処の出身である。
「緋色くん、朔月さん、お帰りなさい」
施設に着いた2人を迎えてくれたのは施設長である佐伯 寧音(サエキ ネネ)だ。
色素が薄い赤い髪色と、おっとりした口調が特徴で、身体が148と小さい事が特徴の皆に人気の先生だ。
「寧音さんコレ」
緋色は持っていた袋を寧音に渡す。
「コレは…」
「皆さんで食べて下さい。なんか当たっちゃって」
彼女はおっとりした口調でみんな喜ぶわと笑顔を朔月に向けた。
彼女も小さい頃に親から酷い事をされたらしい…
此処に居る人間の大半が親という存在に良い感情を持っていない…
それでも彼女のように笑えるのだ…
朔月は此処に来る度にそう思う…
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