SHE

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「どうしたの、大丈夫?」 お腹でも痛いの? いただきます、のあと。 また貴方は止まってしまった。 右手にスプーンを持ったまま。 さっき、私が後片付けをしていたときみたいに。 考え事でもしてるのかな、それならいいんだけど。 体調悪かったりするのかな。 大丈夫かしら。 「あ、ごめん。考え事してた。よーし、いただきますっ。」 あぁよかった、元気そう。 私も食べよっと。 じゃがいもをスプーンで少し切って、口に運ぶ。 あ、おいしい。 温かくて出来立てのそれは、なかなかの味で。 うん、よし、よし。 皿に添えた手が、熱で熱くなってきて、少し手を離した。 なんだか、少し悲しくなった。 例えば私が料理だとして。 熱かったら、貴方は離れていっちゃうのかな。 あぁ、そういえば貴方猫舌じゃない。 あぁどうしよう。 貴方がいなくなって、耐えられる自信がないわ。 恥ずかしいし、上手く言えないからいつもは言わないけど、 貴方のことすっごくすっごく大切で大好きなんだよ? 伝わってるかな わからなくていつも不安 でも、重たいって言われたらどうしよう。 伝わり過ぎてるかもしれない。 だって、貴方の何倍も、私は貴方が大好きなの 大好きで大好きで大好きで大好きで死んじゃうくらいに。 まだ貴方の隣にいたいから、絶対に死んだりしないけど。 どうしよう。 貴方がいなくなったら、私どうしたらいいんだろう。どうなっちゃうんだろう。 ここまで誰かを好きになったのは初めてなの。 貴方がいなくなったら、私はきっともう笑えないし喜べない。 涙しか出てこなくなる。 だって隣に貴方がいないんだもの。 もし貴方が離れていくのならば、いっそのこと忘れてしまおうかしら そうすれば、悲しむことも苦しむこともないわ。 でもきっと無理ね。 だってこんなにも、幸せで、嬉しくて、大切で、大好きなんだもの。 離れたくないよ。 ねぇ、だから、 あのね、
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