0人が本棚に入れています
本棚に追加
そして大会当日とある高校の体育館。
数人の神々や大勢の現地の人々が参加していたのだが、通常の人間が神々に武道で勝てるはずが無く、上位四名になった時にはすでに一般参加者はいなかった。
「杜若、おつかれ。さすがは時空と空間の管理者、これといって問題無く勝ててるね」
「ありがとうございます、あと二勝すれば優勝ですから軽く勝利してきますよ」
そういって手をひらひらとさせながら会場入りする杜若、さすがに決勝付近になると観客も多く、唯一の女性参加者としては観客の目線が痛い。
「よぉ杜若、やはり最後の方まで残ったか」
「あなたはたしか自称『無垢の紫電』【ピュアゲイザー】の岡崎【おかざき】さんじゃないですか」
「自称っていうな!一応通り名だから!自称してないから!」
「そもそもあなたは電撃系の魔法とか特技とか持ってないじゃないですか」
「……人間界にはスタンガンと呼ばれる便利な道具がある」
「そんな程度じゃやはり自称で十分ですね」
「だから自称じゃないか…《じゃあ試合開始》全身がねじれる様に痛い!」
相手と小粋なトークをしつつ、相手が動揺して試合開始を聞き逃している間の一撃必殺、まさに芸術だね。
会場から凄いブーイングを受けつつ、会場の都合ですぐに始まる決勝の相手を確認する。
「お疲れ様、次の対戦相手は風魔法の使い手の風祭【かざまつり】さんね」
「さすがに次の試合まで不意打ちは不可能でしょうから気をつけて戦ってまいります」
「ええ、ご武運を祈っておきます」
最初のコメントを投稿しよう!